当院は、地域住民の健康を守るため、幅広い診療メニューを展開している歯科医院です。一般歯科診療を軸にしながら、口腔外科や矯正歯科、小児歯科、さらには訪問診療まで幅広く対応しており、患者さんは専門的な治療も大学病院に行くことなく受けられることが大きな強みです。大規模なホームセンター内に位置しているため、患者さんは普段の生活の動線を大きく変えることなく通院が可能です。患者さんが遠方まで足を運ぶ負担を減らし、費用面でも利用しやすい環境を整えることを目標としています。患者さんに「この診療所があってよかった」と感じてもらえるよう、細やかな配慮と高品質な医療サービスを心がけている点が、当院の大きな特徴です。
当院でも、昨今の医療現場が抱える深刻な人手不足の波は避けられません。スタッフの確保は常に課題であり、歯科医師や歯科衛生士の確保、並びに受付、会計、消毒滅菌など多岐にわたる業務を限られた人数でこなす必要があります。そのため、一人ひとりのスタッフにかかる負担は非常に大きく、クリーニングなどの業務と並行して会計処理や患者対応を行う等が求められるため、負荷が集中しやすい状況にありました。 この人手不足の問題は、患者さんの待ち時間の増加や、スタッフの心理的・身体的負担の増大を招き、結果として患者さんへのサービスの質にも影響を及ぼすことが懸念されていました。スタッフが注力すべき医療行為に集中できず、業務の分散化や効率化を図る必要性が強く感じられていたのです。こうした状況の中で、スタッフの負担を軽減しつつ、患者さんの利便性を高めるソリューションの導入は喫緊の課題でした。診療効率の向上を図りつつ、スタッフが安心して働ける環境づくりに取り組みたいと強く思っていました。
医療法人社団メディデンタル 理事長 洲﨑 雄介氏
近年、患者さんの間でキャッシュレス決済へのニーズが急速に高まっています。これまで歯科医院側から積極的にクレジットカードの利用を推奨することはあまりありませんでした。しかし、CurePortのシステム導入により、クレジットカード決済を推進することで院内の業務負担が軽減され、患者さんの待ち時間も短縮できるため、手数料以上のメリットがあると実感しています。そのため、当院では積極的に患者さんへキャッシュレス利用を提案するようになり、結果として利用者が増加しています。また、コロナ禍により人との接触を避けたいという価値観の変化もあり、接触機会の少ないキャッシュレス決済の導入は患者さんの安心感にもつながっています。 キャッシュレス決済にはさまざまなシステムがありますが、自動つり銭機などのハードウェアを導入する場合は初期投資やランニングコストが高くなることが課題です。CurePortは、患者さんは普段お使いのスマートフォンを活用いただき、医院側は専用の管理画面をブラウザ上で確認できるため、大きな初期費用がかからず、コスト面の管理もしやすいというメリットがあります。故障や紛失といったハードウェアトラブルの心配もなく、導入のハードルが非常に低かった点が決め手となりました。 また、スマートフォンの普及率が高いことも導入の追い風となっています。従来は「会計は治療後に院内で行うもの」という固定概念がありましたが、CurePortでは帰宅後に決済を行うため、患者さんにとっても利便性が高い点が特徴です。今後はさらに多くの患者さんがこの新しい決済スタイルに順応し、その利便性を理解してくれると期待しています。
CurePortの導入にあたり、最も工夫した点はスタッフへの事前説明と目的共有でした。スタッフには、なぜこのシステムを導入するのか、その背景や目指すべき未来について繰り返し伝えてきました。車のETCのように、患者さんは診療を受け、スムーズに会計を済ませてすぐに帰宅できる仕組みを作ることが目標であり、このビジョンをスタッフ全員で共有することからスタートしました。当院は、これを長期的な目標として根付かせることが重要だと考えています。 実際の導入作業に関しては、すべてのスタッフに一斉に操作を覚えてもらうのではなく、まずは中核となるスタッフがシステムを使いこなせるようにし、そのスタッフがITに不慣れなスタッフへ段階的に教えていく方法を採りました。この教育体制を段階的に整えることで、操作の理解度にばらつきが出ることを防ぎ、円滑な運用を目指しました。 また、患者さんへの展開も一斉に行うのではなく、対応可能な患者さんの特性を見極めながら慎重に進めました。変化に適応しづらい患者さんには無理に説明や導入を迫らず、個々の状況を見極めながら患者さんに負担をかけないよう配慮しています。こうして導入を爆発的に広げるのではなく、あえてブレーキをかけながら、安全かつ確実に利用者を増やしていくことを意識しました。このように、スタッフと患者さん双方の理解度や適応力を見極めながら段階的に導入を進めることで、トラブルや混乱を最小限に抑え、スムーズな移行を実現しています。
医療法人社団メディデンタル 加藤 瞳氏
CurePort導入後、スタッフの中には機械やシステムの操作に不慣れな者もおり、初めは「自分に使いこなせるだろうか」という不安がありました。しかし、基本的には登録やチェックインはスムーズに行われており、多くのスタッフからは「操作が比較的簡単」との声が上がっています。これにより、システム運用の定着が進み、スタッフの負担軽減にもつながっています。 歯科医院は基本的に予約制です。これまで、治療が終わった患者さんのお会計と、次の患者さんの来院タイミングが重なることが多く、お会計のために待たせてしまうこともありました。しかしCurePortを利用する患者さんはスムーズに会計を済ませられるため、次の患者さんも受付で長時間待つことなく診療を開始できるようになっています。この結果、受付の流れが滞ることが減り、全体の診療効率が向上しています。 ピーク時の受付負担が軽減され、業務の強弱を平準化できることも大きなメリットです。忙しい時間帯に発生する不要な待ち時間や精神的な負担が減ることで、スタッフの笑顔が増え、業務効率と患者さんへのサービスの質がともに向上しています。結果としてスタッフと患者さん双方にとって「Win-Win」の関係を築くことができています。
昨今、歯科業界でも深刻な人手不足がますます注目されている中で、スタッフには人にしかできない業務に専念してもらいたいという思いがあります。一方で、受付業務などシステム化が可能な部分はDXを推進し、効率化を図ることで、スタッフの負担軽減を目指しています。 最終的には、受付業務の無人化を実現し、限られた人数で患者対応や治療に注力できる次世代型の歯科医院の構築を目指しています。業務の多岐にわたる作業の一部でも効率化が進めば、全体の運営品質向上に繋がると考えています。 今後、社会全体がペーパーレス化に向かう流れは加速すると見られ、歯科医院においてもこうしたデジタル化を普及させていくことが重要です。CurePortのシステムが鍵となり導入率が高まれば、業務効率の向上と患者さんへのサービスの充実を同時に推進できると期待しています。
ハートピア歯科・矯正歯科北本診療所 院長 上田 耕平氏
人手不足はどの医療機関にとっても共通の大きな課題であり、今後も無視できない問題です。この状況をたくましく乗り越えていくためには、ITの知識や技術を高め、歯科医院全体のレベルアップを図ることが必要だと考えています。 患者さんの満足や喜びが歯科医師やスタッフの喜びにもつながるという循環が生まれています。さらに、歯科医院同士が連携し、協力してITに関する知見を深めることで付加価値が高まり、より良い未来が開けると思います。 利便性が高まれば新たな視点や可能性も見えてきます。患者さんに新しい形で医療サービスを提供できる未来を描きながら、私たちも今は想像もつかないような革新的なことができるようになることを楽しみにしています。このDXへの取り組みをぜひ止めることなく、発展させ続けてほしいと強く願っています。